社会不安障害(SAD)

社会不安障害(SAD)とは

以前の対人恐怖症がこれに近いもので、人前で話したり,初対面の人と会ったり、目上の人の前に出ると緊張したり、あがってしまい、言いたいことが言えなくなるなどといったことが高じて、会社を辞めたくなったり、家に閉じこもることになってしまう状態を言います。

例えば結婚式のスピーチを頼まれて、「ちょっと恥ずかしいな」と思うのは誰にでもあることですが、スピーチを頼まれた時から失敗して他人から馬鹿にされはしないかと考えプレッシャーを感じて苦しい日々を過ごしたり、マイクの前に立ったもののふるえが止まらず、声もうわずり、スピーチを続けられなくなってしまう。このように、他人に悪い評価を受けることや、人目を浴びる行動への不安により強い苦痛を感じたり、身体症状が現れ、次第にそうした場面を避けるようになり、日常生活に支障をきたすことを、社会不安障害(SAD:Social Anxiety Disorder)といいます。

この社会不安障害(SAD)は性格の問題ではなく、精神療法や薬物療法によって症状が改善することがある心の病です。ちょっと恥ずかしいと思う場面でも、多くの人は徐々に慣れてきて平常心で振る舞えるようになりますが、社会不安障害(SAD)の人は、恥ずかしいと感じる場面では羞恥心や笑い者にされるのではという不安感を覚え、そうした場面に遭遇することへの恐怖心を抱えています。思春期前から成人早期にかけて発症することが多いこの病気は、慢性的になり、人前に出ることを恐れるようになると、「うつ病」等のさらなる精神疾患の引き金となることもあります。日本国内に推定で約320万人以上の精神疾患の患者さんがいると言われており(参照:https://www.mhlw.go.jp/kokoro/speciality/data.html)、現代社会では多くの患者さんを抱える一般的な病気です。この病気にかかるのは決して特別な人ではなく、現在も海外では多くの患者さんが医療機関での治療を受けています。

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